レーシック治療へあと一歩が踏み出せない方へ

『もっと早くやっておけばよかった』

これまで大勢の方の視力回復の過程に立ち会わせていただきましたが、手術が終わった後の感想としてほとんどの患者様から聞く言葉の中で、『もっと早くやっておけばよかった』というフレーズが共通しているのが印象的です。
また、レーシック手術の特長のひとつとして、知り合い同士の間で流行るというのがあります。
つまり、誰か一人が受けるとその周りの人たちが次々に受け出すことが多いのです。
この2点は、レーシックがいかに信頼できる手術であるかということを表している一方で、一般の人にとっては、私たちが思っている以上にレーシックという治療に対して大きなカベがあることを意味しているのだと常々実感しております。

私たちがお会いできる患者様というのは、このカベを乗り越え少なからずレーシックを受けることを決心された人になるのですが、そうした方々から伺う意見で、なかなかレーシックに踏み切れなかった理由として、

  • 興味はあるが、目の手術なのでなんとなく恐い
  • 長期的に本当に安心できる手術なのかが心配
  • 失明することはないのだろうか
  • 感染症になるのではないか
  • 近くのものが見えにくくなるのではないか
  • 痛みが恐い

などの不安をよく耳にします。

レーシックを専門とする眼科医として、手術を決心した患者様に適切な医療を提供するだけではなく、迷っている人たちに的確な情報を提供するのも私たちの任務ですので、これらの漠然とした不安が少しでも解消できればと思い、述べさせていただきます。

すべての外科手術の中で最も確実な手術

まずは確実性についてですが、実際のところ100%!確実な手術というのは世の中に存在せず、レーシックもこの例外ではありません。
しかし、そんな中でもレーシックは私が知る限りすべての外科手術の中で最も確実な手術だと確信しています。
もちろんこれは、手術前の適応検査をしっかり行い、適切な手術法を選択する知識や時には手術をお断りする判断力、また手術自体を安心・確実に行う技術と設備、さらには術後の検診を責任もって行い、万が一不具合が生じた場合にもいち早く対処できる体制というのがそろっているのが前提での話です。
事実、レーシックを受けた方で、術後の見え方に不満がある人の割合というのは数%程度、またその数%の人たちも期待していたほどは見えなかったという人がほとんどで、レーシックをやらなければよかったとまで思っている人は限りなくゼロに近い割合です。
長期的な安定性に関しても、米国などではレーシックを受けて30年近く経過している人が既に大勢いますが、レーシック自体が問題視されることは一切ありません。
そもそも長期的な安定性に疑問があれば、私も含めた眼科医は絶対に受けないはずです。

さらに最近ニュースなどで話題にもなった、術後感染症についてです。
一般にレーシック術後に感染症を合併する可能性は5000人から1万人に1人の割合とされており、しっかりと管理された環境においては実際にはほとんど起こることはなく、事実私がこれまで手術してきた1万人以上の患者様で感染症を起こした方は1人もおりません。
もちろん術後の環境なども影響しますので、今後も1人も起きないという保証にはなりませんが、少なくともコンタクトレンズをずっと使い続けているよりは、私たちが行うレーシックの方が確実性に関しては高いと自負しています。

術前に患者様とよく話し合うことが重要

次に見え方のバランスに関連することです。基本的にヒトは40歳前後から近くのものにピントが合いにくくなる傾向があります。
いわゆる老眼の症状です。
この症状は遠くの視力がいい人ほど感じやすいため、40歳以上の方はレーシック術後に視力が良くなるほど、近くのものはみえにくくなる可能性はあります。
また、若い方でも過矯正で術後遠視気味になると、同様の症状が起こり得ます。
一方で、患者様の術後の見え方に対する希望やライフスタイルというのはまさに千差万別で、近くの見え方を犠牲にしてでもよりよい遠方視力を希望する人もいれば、遠くはメガネをかけてもいいので裸眼で読書をしたいという方もいます。
あからさまな過矯正は論外ですが、どれくらいの見え方を狙って手術するかを決めるためには、術前に患者様とよく話し合うことが重要で、実際のところ当院では40代以上の患者様の実に半数近くの方を弱めの矯正にしており、その程度としては弱めの1.5ということもあれば0.5くらいの視力を狙うこともあります。
希望する見え方のイメージを手術前に私たちにしっかり伝えてください。

以上、レーシックに踏み切れないあなたへ、ぜひ読んでいただきたい私たちの考えを長々と綴りました。

  • 感染症を起こす割合は1万人に1人程度。クリニック選びと術後の注意点を間違えなければ、ほとんどゼロに近い
  • 失明するような合併症というのもゼロ
  • 手術自体は圧迫感がある程度で、痛みはありません。(術後当日は多少痛みを感じることはありますが、翌日にはなくなります)
  • 完全矯正を望まない人は、術後の見え方の希望を十分に納得いくまで相談することが重要

まずは検査を受けていただくことから

最後になりますが、多くの患者様は手術を受けることをある程度決心してから検査を受けに来られます。
しかし本来は、検査を受けてご自身の眼の状態やライフスタイルが手術に適しているかどうか専門家の意見を聞いてから手術を受けるかどうか考えていただいた方がいいのではないかと私たちは思っています。
そのためには、まずは検査を受けていただくことから始まります。

来院回数を少しでも減らしたいという方は適応検査から、コンタクトを前もって外すのが億劫な方はまず簡易検査から。
手術を受けるかどうかは検査を受けてからでかまいませんので、まずはクリニックに足を運んでみてはいかがですか?