ICL
2023-07-20(記事公開日)
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ICLの乱視用レンズは回転する?ずれる可能性がある?対処法は?

ICLの乱視用レンズは回転する?ずれる可能性がある?対処法は?

そもそも乱視とは?

乱視の症状は、近視や遠視のように網膜上で焦点が結ばれない症状とは異なります。角膜や水晶体のゆがみによって光の焦点が複数できてしまい、ものがブレて見える症状が起こります。

症状によって正乱視と不正乱視の2つにわけられます。

正乱視

角膜や水晶体のゆがみが、ある一定方向に起きている状態を正乱視といいます。ゆがみの方向が縦のものを「直乱視」、横のものを「倒乱視」、斜めのものを「斜乱視」と呼びます。

不正乱視

正乱視とは異なる症状で起きている乱視を不正乱視といいます。角膜の表面が平らでなく凸凹しているために起きる乱視です。

乱視でもICL(眼内コンタクトレンズ)手術は可能?

乱視の矯正はICLの手術でも可能です。

ICLはコンタクトレンズを目の内側に入れて視力を矯正するものです。目に入る光量を調整する「虹彩(こうさい)」と、目に入ってくる光を曲げる役割の「水晶体」との間にレンズを挿入します。

角膜や水晶体のゆがみに対応した乱視用のコンタクトレンズを用いることで乱視を矯正することが可能です。

乱視の方がICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受ける際の費用

ICL手術の基本料金はレンズの度数によって変動します。屈折値が-5D未満の場合は両目で460,000円(税込み)、-5D以上の場合は537,000円(税込)です。

乱視用のレンズは上記の基本料金に加えて100,000円の追加費用が発生します。

費用・値段について詳しくは「ICL(眼内コンタクトレンズ)の費用・値段」をご覧ください。

乱視の方がICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けるリスク

ICLの手術を受ける前に知っていただきたいリスクについてご説明します。

手術後にレンズが回転・ずれる可能性がある

ICLの手術は虹彩(こうさい)と水晶体との間にレンズを挿入し、適切な位置に固定する手術です。手術後、稀ではありますが、レンズが回転したりずれたりすることで見え方に違和感が生じる可能性があります。

合併症や後遺症が起こる可能性がある

ICLの手術では強膜と角膜の間を3mmほど切開するため、これが傷口となり目が赤くなるなどの炎症が1〜2週程度起こります。また、菌が侵入することで感染症を招くリスクがありますので、術後の過ごし方が大切です。

その他ICLにおける一般的なリスクについては「ICL手術で後遺症は残る?合併症や注意点を解説」をご覧ください。こちらの記事で詳しく紹介しています。

乱視用ICLが回転・ずれたときの対処法

乱視用の眼内コンタクトレンズが回転したり、ずれたりした場合、レンズの交換または位置調整が必要な場合があります。

当院では手術後の位置調整が必要になったケースは全体の0.3%、レンズの入れ替えは0.6%であり、双方とも1%未満の治療成績となっています。

まとめ

乱視の基礎知識、乱視用のICLに関する回転やずれのリスク、またその対処法などについてご紹介しました。ICLは手術は強膜と角膜との間を3mm程度切開します。視力の安定、感染症などのリスクを防ぐためにも手術後1〜2週間の過ごし方がとても大切です。

レンズの回転やズレが起こるケースは稀ですが、位置調整やレンズ交換なども可能です。もしICLが合わない場合でも、手術前の状態に戻せることがICLの最大の利点といえるでしょう。

監修医師紹介

経歴

  • 2001年

    北海道大学医学部卒業 北海道大学眼科学教室

  • 2003年

    手稲渓仁会病院

  • 2007年

    北海道大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得

  • 2008年

    University of Southern California,Doheny Eye Institute留学

  • 2011年

    新宿近視クリニック入職

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