ICL(眼内コンタクトレンズ、正式名称:Implantable Contact Lens)は、ソフトコンタクトレンズに似た素材の眼内レンズです。眼内の虹彩の後ろに眼内レンズを挿入することで屈折力を変え、近視・乱視を矯正します。眼の内側にレンズが入るため、コンタクトレンズのように日常生活の中で外れてしまうこともなく、異物感もまったくありません。メガネやコンタクトなしでも、裸眼と同じ快適さで視力が回復します。角膜を削らない視力回復方法として注目を集めています。
また、ICLは取り外しも可能なため、目の病気にかかってしまった際でも安心して治療することができます。
ICL(眼内コンタクトレンズ)とは

ICL(眼内コンタクトレンズ)の適応・おすすめの方

- 強度の乱視、近視の方(近視度数-6D以上)
- 角膜が薄く削れない方
- よりクリアで安定した視界を手に入れたい方
- レーシック手術が適応外だった方
ICL(眼内コンタクトレンズ)の特徴
痛みが少ない日帰り手術
ICLの手術では、痛みを緩和する点眼麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。当院では、前房内麻酔も併用したダブルレイヤー麻酔で、患者さまの痛みを極限まで減らすように努めています。手術時間も、片眼15分程度と、短時間で完了する日帰り手術です。
角膜を削らない視力矯正
ICLは目の中に柔らかいレンズを挿入して視力を矯正をする手術です。角膜を削らずに視力矯正ができるので、角膜が薄く削れない方や、削ることに抵抗がある方などは、ICLの手術が適しています。
目に優しく安心な素材を使用
柔らかくしなやかな「有水晶体後房レンズ」として、厚生労働省からも安全性が認められています。「コラマー(Collamer)」というHEMAとコラーゲンの共重合体素材で目に優しく安全です。身体に安全な素材でありながら、紫外線をカットする機能も付いています。
ICL(眼内コンタクトレンズ)のメリット・デメリット
ICLには、下記のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- メリット01 近視の戻りが少なく安全性が高い
- メリット02 適応範囲が広い治療法
- メリット03 角膜を削らないためよりクリアな視界
- メリット04 術後の副作用が少なく安心
- メリット05 元に戻せるから将来の目の病気に影響が少ない
- メリット06 紫外線をカットできる
- メリット07 お手入れ不要な素材
デメリット
- デメリット01 手術を受けるまでが時間がかかる
- デメリット02 レンズを含めて費用が高額
ICL(眼内コンタクトレンズ)とレーシックの違い
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、レーシックと異なり、角膜を削ることなく、眼内レンズで近視を矯正するので、メガネやコンタクトレンズで矯正することのできない角膜のわずかな歪みが増えることがありません。
さらにクリアで鮮やかな見え方、立体感を実感できますので、見え方の質が高いのが特長です。
見え方の質でいうと、レーシックは角膜を28mm切るのに対し、ICL(眼内コンタクトレンズ)はわずか3mmしか切らないため、角膜の知覚神経を傷つけることがないので、術後の違和感やドライアイを感じることもレーシックに比べ非常に少なく、負担も少ない治療法です。
またレーシックには近視の戻りというデメリットがあります。
レーシック治療を受ける前、元々強度近視の方や角膜を削る量の多さによって近視の戻りが発生する可能性が高くなりますが、ICL(眼内コンタクトレンズ)は角膜を削らないので、元の視力に関係なく近視の戻りが少ないという報告が上がっています。
ICL(眼内コンタクトレンズ) | レーシック | |
---|---|---|
効果 | 半永久的 | 生活習慣によって戻る可能性あり |
見え方 | クリアで鮮やか | よくみえる |
手術時間 | 約15〜20分 | 約10分 |
リスク | 感染症やハローグレアなどのリスクあり | 合併症や後遺症のリスクあり |
取り出し | ◯ | ✕ |
費用 | 460,000円〜 | 154,000円〜 |
保障 | 3年 | 1年〜3年 |
ICLとレーシックの違いについては「ICLとレーシックの違いとは?効果やリスクを比較」をご覧ください。
ICL(眼内コンタクトレンズ)
手術の流れ
無料適応検査のご予約
当院は予約制です。
まずは、ホームページまたはお電話にて適応検査のご予約をお願いいたします。
無料適応検査
国家資格を持つ当院の視能訓練士が、屈折度や眼圧、視力など、9項目にわたる検査を実施し、ICL手術が安全に実施できるか確認します。
※検査前には、コンタクトレンズの装用中止期間がございます。
ソフトコンタクトレンズ:検査3日前より装用不可
ソフトコンタクトレンズ(乱視用):検査1週間前より装用不可
ハードコンタクトレンズ:検査2週間前より装用不可
検査後は手術前日まで装用可能、手術当日のみ装用不可となります。
診察
無料適応検査の結果をもとに、医師からお客様に最適な治療プランをご提案させていただきます。診察後、お客様の目に合うレンズを手配いたします。
手術日程決定
レンズがご用意できましたら、お客様のご都合に合わせて手術日程を調整いたします。
術前点眼
手術3日前から、1日4回点眼をしていただきます。
点眼には殺菌作用があり、術後の感染症防止にも有効です。
ICL手術(術前再診察あり)
術前、医師による診察を再度おこない、手術の安全性に問題がなければICL手術実施となります。
術前30分前に点眼麻酔を数回行い、手術自体は片目約15分で終了します。
術後は30分間程度安静にしていただき、ご帰宅となります。

目薬タイプの麻酔を点眼し、
角膜を3mmほど切開します。

切開した部分から
長細く筒状に織りたたんだ
レンズ(ICL)を挿入します。

広がったレンズを
虹彩の下で固定します。
術後検診
手術が終わってからも定期的に検診にお越しいただき、目の状態を検査させていただきます。
術後直近では、手術翌日・翌々日・1週間後・1か月後に実施予定です。
また当院のICL手術はアフターケアとして、再手術が3年間無料、検診代が1年間無料といった保障を用意しています。
術後1年間は、何度でも検診を受けることができます。
ICL(眼内コンタクトレンズ)
の費用・料金
施術名 | 手術料金 | 分割料金(税抜) | 保証 期間 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
ICL (屈折値-5D未満) | 両眼 419,000円(税抜) 460,000円(税込) | (24回払い) 月々10,800円 | (36回払い) 月々7,200円 | (48回払い) 月々5,400円 | (60回払い) 月々4,300円 | 3年 |
ICL (屈折値-5D以上) | 両眼 489,000円(税抜) 537,000円(税込) | (24回払い) 月々14,000円 | (36回払い) 月々9,300円 | (48回払い) 月々7,000円 | (60回払い) 月々5,600円 | |
乱視用 | 両眼 +100,000円(税込) | ー |
ICL(眼内コンタクトレンズ)のリスク
このようにICLは時代と共に、進化しており安全性が高い視力矯正法ですが、リスクがないという訳ではありません。リスクに関する説明をよく確認し、理解したうえで手術を受けるようにしましょう。
術後、目標の度数に対して、過矯正、あるいは低矯正となる度数ずれになることがあります。度数ずれを防ぐため、術前に正確な屈折の度数を計算するための詳細な検査を行います。ICLはレンズを入れ替えることが出来ますので万が一、術後に過矯正でも低矯正でも対応することが可能です。
ICLは眼内の水晶体に近い場所に挿入するため、水晶体に接触するリスクがあります。確率は1.5%と非常に小さいですが、ダメージにより水晶体が白濁し白内障になる場合があります。重度の白内障の場合は、白内障手術により白濁した水晶体を抽出し人工水晶体(眼内レンズ)に交換する手術を行います。
ICL手術のリスクや合併症については「ICL手術で後遺症は残る?合併症や注意点を解説」をご覧ください。
ICL(眼内コンタクトレンズ)
におけるよくある質問
厚生労働省からの認可を受けた、安全性と有効性が認められている施術ですのでご安心ください。海外においてもすでに70ヶ国、600,000症例以上の実績があります。 新宿近視クリニックでは、件の症例実績と術後平均視力0.03→1.51という治療結果があります。
安心してICL治療を受けていただくため、高い技術を持った眼科専門医が担当させていただきますのでICL治療をご検討の際は、ぜひご相談ください。
ICLは眼内レンズを挿入して近視や乱視を矯正する手術ですので、老眼そのものの治療にはなりません。老眼とは、加齢によって水晶体が硬くなり近くにピントを合わせられなくなる現象です。
ICLは水晶体への治療ではないため、老眼の治療はできません。
基本的にICLによって白内障になることはありません。白内障の原因は老化がほとんどで、ICLの有無にかかわらず誰にでも発症の可能性があります。
また、ICLの手術後に白内障になってしまった場合、白内障の手術は問題なく受けることができます。
ほとんどの方が手術の翌日から数日以内に安定した見え方になります。
しかし、手術当日はゴロゴロとした感覚や、ぼんやりとした見え方になる可能性があるため安静に過ごしていただくようお伝えしております。
手術後は日数が経つほどに、見え方が安定します。
新宿近視クリニックのICL(眼内コンタクトレンズ)は、『コラマー(Collamer)』という素材の「EVO+レンズ」を採用しています。レンズの真ん中にホールが開いていることで、目の水の流れを保てるため術後のリスクも抑えられます。半永久的に使用可能であり、丈夫な素材のためくもったり破れることもありません。
白内障、緑内障などの目の病気を患っている方や、過去にメスを使用した眼球疾患の手術を受けている方、眼球が小さくレンズを入れるスペースが狭い方、糖尿病などの基礎疾患を患っている方にはご案内が出来かねます。また、年齢が18歳未満の方は、成長段階で近視が進む可能性があるためICL治療を受けることができません。
ICL(眼内コンタクトレンズ)
の仕組み
光は、角膜や水晶体を通って、その先の網膜まで届きます。その際、角膜や水晶体はカメラのレンズのような働きで、ピント調整をしています。このピント調節の機能がうまく働かないことで、近視は起きます。
ICLでは、角膜と水晶体の間にコンタクトレンズを差し込むことで、ピント調節を正常にします。



2013年より、極小の穴が開いた「穴あき後房型ICL」が登場し、緑内障のリスクが大幅に軽減されました。レンズの中心にある0.36mmの穴が、眼内を循環している水の流れ(房水)を改善します。これまでは術後の眼圧上昇を抑えるために、虹彩切除術をおこなっていましたが、これが不要となり、リスクが大きく解消されました。
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ICL(眼内コンタクトレンズ)の歴史

ICLの研究開発は1970年代から行われており、実用化がはじまったのは1986年と30年以上の歴史があります。1997年に欧州でCEマークを取得後、カナダ(2001年)韓国(2002年)アメリカ(2005年)中国(2006年)など世界約70カ国で承認・認可されています。
日本でも2010年2月にICLの有効性と安全性が認められ、高度管理医療機器「有水晶体後房レンズ」として厚生労働省に認可されました。さらに2014年には、日本で開発されたホールICL(穴あきICL)が認可されました。以前のレンズにはホールがなかったため、房水循環(眼の中の水の流れ)を保つためにレーザーや手術で虹彩に穴をあける必要がありました。
ホールのおかげで虹彩に穴をあける必要はなくなりました。また、2016年には「EVO+」(光学部拡大モデル)が承認され、よりハロー・グレアの低減が期待できます。
- 1978 ロシアグループでPhakic IOL 開発スタート
- 1986 Fyodorow らがsilicone IOL ( collar button ) ( G1 ) を前房と後房に跨る形で埋植
- 1990 Fyodorowらがplate haptic silicone IOL(G2)を有水晶体患者の後房に埋没
- 1993 ・ロシアグループの結果を元に STAAR Surgical 社が Collamer ICL(IC2020-M)を開発、埋植 ・STAAR Surgical 社 ICL埋植 (Pesando, Italy)
- 1997 欧州CEマーク取得
- 1998 現在の基本デザイン V4登場
- 2002 韓国 承認
- 2005 米国FDA 承認
- 2006 中国SFDA 承認
- 2010 日本 ICL 承認 (近視用モデル V4 ICM)
- 2011 日本 ToricICL 承認 Hole ICL (V4c) 欧州CEマーク
- 2014 日本 Hole ICL KS-Aqua PORT 承認
- 2016 日本・欧州 EVO+(光学部拡大モデル) 承認
ICL(眼内コンタクトレンズ)の
視力矯正は進化を続けます。
2016年に誕生したEVO+の大きな有効光学部は、瞳孔径の大きな若年世代や夜間の見え方の改善効果が期待されます。
- 1990年 プロトタイプモデルICL
- 1990年 Vaurltの変化、新しい光学部形状
- 1994年 ポジショニングマーク追加
- 1996年 光学部径の変化
- 2011年 ホールICLが欧洲ICLを取得
- 2016年 EVO+ 光学部径の更なる拡大
北村院長がEVO+レンズを
詳しく解説


レンズ全体の大きさはそのままに、光学部をより大きく再設計されたのがEVO+レンズです。EVO+の大きな有効光学部は瞳孔径の大きな若年層や夜間の見え方の改善効果が期待されます。
大きな有効光学部によりハローグレア(光のちらつき)、高次収差の原因となるレンズ効果の無いソーンを透過する光を低減することが期待されます。
ハローグレア(夜間の光のにじみ、ぎらつき)がより少なくなったことで夜間の視力が向上し瞳孔径の大きい若年層の見え方の質も改善されています。
ICL(眼内コンタクトレンズ)の
素材・安全性について


ICL(眼内コンタクトレンズ)は、EMAとコラーゲンを合わせた『コラマー(Collamer)』という素材を使用しています。
生体適合性の高い素材
眼内のレンズは無色透明でくもりや汚れはつきません。目に何か入ったような違和感もありません。
柔らかくてしなやか
小さな傷口から丸めて挿入出来る、目に優しい柔らかくて丈夫な素材です。
紫外線もカット
レンズ素材は有害な紫外線をカットする機能もあります。
『コラマー』は含有するコラーゲンにより、マイナス荷電をおびておりタンパク質などの粒子が沈着せず、非常に生体適合性の良い素材です。
アクリル素材とコラマー素材のタンパク質沈着テスト(In vitro)
- アクリル素材 タンパク質が
沈着しやすい
- コラマー素材 タンパク質の
沈着はみられない
ICL(眼内コンタクトレンズ)に関するコラム
ドクターがICLについてわかりやすく解説

ICLは、長期間にわたり視力を維持でき、近年の近視矯正手術で最も注目されている治療法です。
患者さまから、「痛みがないか心配」という声をお聞きすることもありますが、新宿近視クリニックでは点眼麻酔・前房内麻酔の2つの麻酔を用いて、痛みの少ない治療をご提供できるようにしています。
当院は、ICL症例実績14,736件(2022年10月)・術後平均視力0.03→1.51という確かな実績があります。またレンズの交換手術費用は3年、手術後の検診費用は1年無料で、術後の保障内容も充実しています。
コンタクトレンズや眼鏡が不要な生活を送ってみたい、ただクリアな視界は維持したいという方は、ぜひICL手術をご検討ください。
監修医師紹介

経歴
2001年
北海道大学医学部卒業 北海道大学眼科学教室
2003年
手稲渓仁会病院
2007年
北海道大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得
2008年
University of Southern California,Doheny Eye Institute留学
2011年
新宿近視クリニック入職
ICL・レーシック・近視治療・視力矯正をご検討中の皆様へ
新宿近視クリニックが提供している治療は、患者様の大切な目に関する治療となります。当然、ご不安も大きいと思いますが、目の健康に関するプロフェッショナルである眼科専門医が、最も適した治療をご提案させていただきますのでご安心ください。
また、無料で行っているカウンセリングでは、どのようなご質問に対しても眼科専門医が的確にご回答をさせていただきますので、患者様ご自身にも正しい知識を持って頂き、少しでも安心して治療を行っていただくよう心がけております。
診察後、プロとして患者様のためにならないと判断した場合は、治療を望まれても勇気を持ってお断りさせていただきますのでご了承ください。
東京都でICL(眼内コンタクトレンズ)などの治療をご検討されている際は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。