ICLのメリット・デメリット、
合併症について【眼科専門医が解説】

視力回復手術のひとつであるICLは、角膜の一部を切開してレンズを挿入する手術です。今回は、ICL手術の特徴、手術をすることによって得られるメリット・デメリット、合併症のリスクなどについて解説します。

ICL(眼内コンタクトレンズ)とは

ICL(眼内コンタクトレンズ)とは、レンズを眼の中に入れて近視や乱視を矯正する治療です。眼の内側にレンズが入るため、日常生活の中で外れることもなく、異物感もありません。裸眼と同じ快適さで視力が回復します。

眼の中にレンズを挿入する

ICLは、角膜を約3mmほど切開し、その切開部からレンズを眼の中に挿入する手術です。レンズは虹彩と水晶体の間に配置され、光の屈折を調整することで近視や乱視を矯正します。

レーシックのように角膜を削る治療とは異なり、角膜の形状を変えずに視力矯正ができる点が特徴です。

レンズの取り外しが可能

ICLは、挿入したレンズを取り外すことができる点も特徴のひとつです。
将来的に白内障手術など、別の眼内手術が必要になった場合でも、レンズを取り出して治療を行うことができます。また万が一、レンズが合わなかったり、視力の変化があったりした場合もレンズの交換が可能です。

ICLは手術前の状態に戻せる治療といわれますが、簡単に取り外せるという意味ではないため、その点を理解したうえで検討することが大切です。

ICLのメリット

ICLについて、レーシックと比較した場合の主なメリットをご紹介します。

レーシック不適応な強度近視の方でも対応可能

日本眼科学会のガイドラインでは、強度近視(-10D以上)のレーシック治療は禁止されていますが、ICL(眼内コンタクトレンズ)は強度近視の方も対応可能です。

出典元:http://www.nichigan.or.jp/

対象視力範囲が広い

軽度/中度近視
の方
-10D未満
重度近視
の方
-10D以上
レーシック施術可能施術不可能
ICL施術可能施術可能

角膜が薄くても施術可能

削った後の
角膜の厚さ
400μm未満
削った後の
角膜の厚さ
400μm以上
レーシック施術不可能施術可能
ICL施術可能施術可能

見え方の質が高く近視の戻りも少ない

ICLは眼の中にレンズを挿入して屈折を調整するため、角膜の形状を大きく変えることなく視力を矯正できます。そのため、コントラストや見え方の質を保ちやすいとされています。

裸眼の見え方
レーシックの見え方
ICLの見え方
裸眼の見え方
レーシックの見え方
ICLの見え方
裸眼の見え方
レーシックの見え方
ICLの見え方
裸眼の見え方
レーシックの見え方
ICLの見え方

また、レーシックでは術後の経過の中で近視が戻る「近視戻り」が起こる場合があります。ICLはレンズによって屈折を補正する仕組みのため、長期的に近視の戻りが少ない点も特徴とされています。

軽度/中度近視
の方
-6D未満
重度近視の方
-6D以上
レーシック4〜5%施術後
視力低下します
7〜8%施術後
視力低下します
ICL施術後
視力
低下しません
施術後
視力
低下しません

※軽度・中度・重度近視の目安は
ご使用のコンタクトレンズ等を参照してください

術後のリスクが少ない

レーシックは角膜を削って視力を矯正する治療ですが、ICLは角膜の形状を変えずにレンズで屈折を補正します。角膜への影響が比較的少ないため、術後の違和感やドライアイなどの症状も起こりにくいとされています。

術後アンケート※当院調べ

24%気になる 76%気にならない

レーシック治療後

13%気になる 87%気にならない

ICL治療後

また、ICLは挿入したレンズを取り外すことが可能なため、将来的にほかの眼科手術が必要になった場合にも対応が可能です。治療の選択肢がせまくなることはありません。

紫外線を90%以上カットします

CL(眼内コンタクトレンズ)はHEMAとコラーゲンの共重合体素材『コラマー(Collamer)』から作られています。『コラマー』は含有するコラーゲンにより、マイナス荷電をおびておりタンパク質などの粒子が沈着せず、非常に生体適合性の良い素材です。『コラマー』の素材表面には光の反射を防ぐノングレア特性があり、光の反射を生じにくく、紫外線を90%以上カットする特性も備えています。

お手入れの必要はありません

レンズは交換する必要がないため長期にわたって安定した視力を維持できます。%以上カットする特性も備えています。

ICL(眼内コンタクトレンズ)の
デメリット

ICLは角膜を削らずに視力を矯正できる治療ですが、デメリットもあります。特に、手術である以上は一定のリスクがあること、術後の生活に一時的な制限があることを理解しておくことが大切です。

取り寄せに時間がかかることがある

国内にレンズ在庫がない場合、1ヶ月〜3か月かかる場合がありますので、ICLをご検討の方は早めに適応検査を受けることをおすすめいたします。

自由診療(保険適用外)のため費用が高くなる

ICL、レーシックは手術費も含めて保険適用外(自由診療)であり、全額自己負担になるため費用が高い傾向にあります。比較的大きな出費となりますが、医療費控除を適用して税負担を軽減できる場合もあります。

ICLの医療費控除については下記記事をご覧ください。

合併症のリスク

ICLは角膜を切開してレンズを挿入する手術であるため、合併症のリスクがまったくないわけではありません。切開によってできたキズが治癒するまでの期間は、術後の過ごし方に注意する必要があります。
ICL手術で起こりうる具体的な合併症については、次の章で解説します。

術後の日常生活に一定の制限がある

ICL手術後は、感染や炎症を防ぐため、一定期間は日常生活に制限があります。手術翌日は必ず検診があり、生活行為によっては再開までの目安が設けられています。主な制限の目安は次のとおりです。

生活行為制限日数
シャワー
(首から下)
手術当日は控え、翌日から可能
入浴入浴は血行が促進されるため1週間以降から可能
洗顔・洗髪洗顔は1週間は不可(目をこする、水が入る行為は×
※目周り以外を濡れたタオルで拭くのは〇)
洗髪は手術当日は控え、翌日以降からは眼に水が入らないようにすれば〇
サウナ・温泉・海外旅行サウナ・温泉は1ヶ月以降から可能
海外旅行は1週間以降から可能
お酒お酒は血行が促進されるため1週間以降から可能
化粧当日と翌日は不可、2日目以降は目周り以外なら〇
アイメイク1週間以降から可能
車の運転当日は不可
翌日以降は、視力が0.7以上出ていれば可能
パソコン・テレビ・読書手術当日は控え、翌日から様子を見ながら可能
デスクワーク・家事翌日の検診後から可能
ジョギング・ゴルフなどの軽い運動1週間後から可能
水泳・プール・激しいスポーツ1ヶ月程度控える

上記のほか、特に術後1週間は保護メガネの着用が必要です。医師の指示に従い、外出時・就寝時は必ず装着するようにします。
またICL手術後の過ごし方の詳細については、下記記事をご覧ください。

ICL手術後の過ごし方については、下記記事をご覧ください。

ICL手術に伴う合併症について

ICLは安全性の高い視力矯正手術とされていますが、眼の中にレンズを挿入する内眼手術である以上、リスクはゼロではありません。
代表的な合併症には感染症が挙げられます。手術部位から細菌が入ることで炎症が起こることがありますが、術後の点眼や定期検診を適切に行うことでリスクを抑えられます。

また、夜間に光の周りがにじんで見える「ハロー・グレア現象」も主な合併症のひとつです。多くの場合は時間の経過とともに慣れていきますが、見え方の変化として自覚されることがあります。そのほかには、時間の経過に伴う視力の変化や度数のずれも挙げられます。
このような合併症が起こることはまれですが、事前に理解しておくことが大切です。以下の記事でも詳しく解説しています。

ICL(眼内コンタクトレンズ)に
関するよくある質問

「ICL難民」とは何でしょうか?

ICL難民とは、ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術後に期待した効果が出なかったにもかかわらず、術後の説明やアフターフォローも十分にしてもらえず、手術を受けた医療機関から見放された患者を指す言葉です。
当院では、術後1年間にわたり無料で何度でも検診をおこなえます。レンズ位置の調整やレンズの抜去手術なども3年間無料でおこなっておりますので、安心してご来院ください。

ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術が失敗して失明や視力低下が起こるリスクはありますか?

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術にかかわらず、手術に際してリスクが全くないと言い切ることはできません。ただし、当院では徹底的な対策を行うことにより、感染症などのリスクを限りなく0%に近づけるよう努力しております。
ICL(眼内コンタクトレンズ)は視力低下(近視の戻り)が少ないと報告があがっていますが、新たな近視が出ることにより視力が低下することもあります。当院では、このような場合であっても術後3年間はレンズ交換に伴うレンズ代・手術費用が無料です。

ICL(眼内コンタクトレンズ)は乱視の治療にも効果がありますか?

もちろん、効果があります。
ICL(眼内コンタクトレンズ)は近視や乱視を治療することができます。

まとめ

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、レンズを眼の中に挿入して近視や乱視を矯正する視力回復治療です。角膜を削らずに屈折を補正できるため、強度近視の方にも対応できる場合があり、見え方の質を保ちやすいといった特徴があります。
一方で、眼内手術である以上、合併症のリスクがないわけではなく、費用や術後の生活制限など、事前に理解しておくべき点もあります。治療の特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、自分に適した治療方法かを判断することが大切です。
手術の流れや治療費について詳しく知りたい方は、以下のページもあわせてご覧ください。

監修医師紹介

新宿近視クリニックの院長、北村瑞です。
私は学生時代から眼科医を志し、特に屈折矯正に興味を持ってきました。自身が近視で不便な思いをした経験から、視力が生活に不可欠なものであることを実感したからです。

屈折矯正の先進国であるアメリカの南カリフォルニア大学(USC)に3年間留学し、最先端の知識と技術を習得しました。患者様に安全かつ最良の結果を提供できるよう、日々学び続けています。

手術は、眼鏡やコンタクトレンズを使えば視力が出る健康な眼に行うため、安全性を最優先に考えています。
一人ひとりの患者様に寄り添い、最適な治療を提案します。視力のお悩みは、どうぞお気軽にご相談ください。

経歴

  • 2001年

    北海道大学医学部卒業 北海道大学眼科学教室

  • 2003年

    手稲渓仁会病院

  • 2007年

    北海道大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得

  • 2008年

    University of Southern California,Doheny Eye Institute留学

  • 2011年

    新宿近視クリニック入職

ICL・レーシック・近視治療・視力矯正をご検討中の皆様へ

新宿近視クリニックが提供している治療は、患者様の大切な目に関する治療となります。当然、ご不安も大きいと思いますが、目の健康に関するプロフェッショナルである眼科専門医が、最も適した治療をご提案させていただきますのでご安心ください。
また、無料で行っている適応検査では、どのようなご質問に対しても眼科専門医が的確にご回答をさせていただきますので、患者様ご自身にも正しい知識を持って頂き、少しでも安心して治療を行っていただくよう心がけております。
診察後、プロとして患者様のためにならないと判断した場合は、治療を望まれても勇気を持ってお断りさせていただきますのでご了承ください。
ICL(眼内コンタクトレンズ)などの治療をご検討されている際は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。