ドライアイの症状にお悩みの方は、ICLなどの手術を検討する際に「ドライアイが悪化するのではないか」という不安を抱えるのではないでしょうか。また反対に、コンタクトレンズが不要になることによるドライアイの改善を期待する方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、ICLとドライアイの関係、レーシックとの違い、また術後に起こりやすい違和感と回復期間の目安などをまとめて解説します。
ICLを受けるとドライアイは起こる?
ICLは、目の中にレンズを挿入して近視や乱視を矯正する手術です。手術がドライアイを引き起こすのか、また、すでに目の乾きを感じている方が受けられるのかを解説します。
ICL手術によるドライアイは基本的に起こらない
ICLは角膜を削らず、目の表面を3mm程度切開してレンズを挿入する手術です。角膜の表面には涙の分泌に関わる神経が通っていますが、ICLはこれを削らないため、手術そのものがドライアイの原因になることはありません。
ただし、目の状態が安定するまでの間は、乾燥を感じることがあります。切開した部分が治る過程で一時的に生じるもので、術後1ヵ月ほど続く場合もありますが、時間の経過とともに落ち着いていきます。
すでにドライアイ気味の人が受けても大丈夫?
現在ドライアイの症状がある方でも、ICLを受けることに問題はありません。手術によってドライアイの症状が恒常的に強まることはないためです。
また目の乾きの原因がコンタクトレンズにある場合、ICLで裸眼の生活になることで、これまで感じていた乾燥感が和らぐこともあります。
ICL手術後に起こりやすい違和感や回復の経過について
ICLの術後、目の状態が安定するまでの間にはいくつかの違和感が生じることがあります。起こりやすい症状と、回復までの経過を解説します。
術後に起こりやすい違和感とその原因
ICLの術後には、しみるような感覚や軽い痛み、まぶしさ、まぶたの腫れが生じることがあります。目を切開したことによる一時的なもので、しみる感じや目の乾きとして自覚されることが一般的です。
回復期間の目安は数日〜1ヵ月程度
切開やレンズ挿入の影響による、しみる感じやまぶたの腫れは、ほとんどの場合は翌日には治まります。目が乾く感じや視力の改善はおよそ1週間で安定してきます。また目の状態が安定するまでには1ヵ月程度かかります。
シャワーや洗顔、運動やメイクなどは、再開できる時期がそれぞれ異なります。日常生活の制限については、以下の記事で詳しく解説しています。
ICL手術後の過ごし方や注意点について解説。翌日から仕事復帰やスポーツは可能?
痛みや違和感が強い場合は受診を
しみる感じや腫れる症状はほとんどの場合、翌日には治まります。翌日になっても痛みが引かない、日を追って強くなるなど、症状が続く場合は、クリニックへご相談ください。
新宿近視クリニックでは、手術翌日、翌々日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後に検診を行っています。また術後1年間は検診を無料で受けられるため、気になる症状があるときは定期検診以外でも受診が可能です。
ICLの手術は、検査実施後に適応と判断された場合に受けられます
ICLの手術は、事前に適応検査を行い、目の状態を診断したうえで実施されます。希望をすれば誰でも受けられるものではなく、検査の結果手術を受けられないと診断されることもあります。
適応検査でわかること
適応検査では、視力や近視・乱視の度数、眼圧、角膜の形状と厚み、角膜内皮細胞の数、目の中にレンズを入れるスペースの広さ、眼底など、目の状態を詳細に調べます。
特に角膜表面の形状は術後の合併症のリスクに関わるため、形状によっては禁忌となる場合もあります。また角膜内皮細胞の数も重要で、この細胞はソフトコンタクトレンズを長く使っている方ほど減りやすい傾向にあります。
いずれの検査も、ICL手術を安全に受けていただくためのものです。また、自分では気づきにくい目の状態を知る機会にもなります。
適応検査の流れ・所要時間
はじめに近視・乱視・遠視の度数、眼圧、角膜表面の形状、内皮細胞数の測定や視力検査を行います。
その後、点眼薬で瞳孔を広げ、開いた状態でなければ確認できない項目を測定します。
最後に、眼科専門医が検査結果をもとに診察し、眼底に異常がなければICL手術の適応が決まります。診察を含めた当日の流れは、以下のページで案内しています。
適応検査・カウンセリングの流れ
視力回復手術全般(ICL・レーシック)に挙げられる合併症
ICLやレーシックは、手術前の適応検査・診察によって、安全に十分配慮したうえで実施されます。しかし、いずれも目に対する侵襲を伴う手術であり、まれに合併症が起こることもあります。代表的なものを紹介します。
感染症
ICLでは、レンズを挿入するために目を3mm程度切開します。この傷口が塞がるまでの間に細菌が侵入すると、感染症を引き起こすおそれがあります。術後に目をこすったり、目に異物が入ったりすると感染のリスクが高まるため、処方された点眼薬を指示どおりに使い、目を保護して過ごすことが大切です。
ハロー・グレア
ハローは、光源の周りに輪がかかったように見える症状を指します。いずれも夜間の対向車のライトや街灯など、暗い場所で強い光を見たときに自覚されやすくなります。グレアは、光がにじんで強くまぶしく感じられる症状です。
これらは目が新しい見え方に慣れる過程で生じるもので、時間の経過とともに気にならなくなることが一般的です。
視界のぼやけ・度数の変化
術後から目の状態が安定するまでの間に、視界がぼやけることがあります。
また、レンズを挿入したあとに近視が進行し、必要な度数が変わるケースもあります。
当クリニックでは3年間の再手術保障を設けており、保障期間中に近視の進行によって視力が低下した場合は、追加費用なしで再手術を受けられます。
レンズを取り外すことで術前の状態に戻せることは、ICLの大きなメリットといえます。
そのほかの合併症については以下の記事で詳しく解説しています。
ICL手術で後遺症は残る?合併症や可能性のある副作用について解説
レーシック手術はドライアイの症状が強まることがあります
視力回復手術を検討する際、ICLとよく比較されるのがレーシックです。ドライアイという観点では、レーシックには注意事項があります。
レーシックでは、角膜の表面を薄く切り開いて一部をつなげたままめくり上げ、その下の組織をレーザーで削って形を変えます。角膜には涙の分泌を促す神経が通っており、表面を切り開く際にこの神経が一時的に切断されます。その結果、涙の分泌量が減り、術後にドライアイの症状が出たり、もともとあった症状が強まったりすることがあります。
多くは時間の経過とともに落ち着き、また点眼薬で対応可能ですが、もともと目の乾きが気になる方にとっては、注意事項のひとつとなります。
まとめ
ICL手術は涙の分泌に関わる神経を傷つけることがなく、基本的にはドライアイを引き起こす原因にはなりません。術後にしみる感じや乾燥感が出ることはありますが、1週間から1ヶ月ほどで落ち着くことが一般的です。
また角膜の神経を切断するレーシックと比べても、ドライアイの観点からは不安の少ない選択肢といえます。
ただし手術の適応は目の状態によって決まります。ICLを検討したい方は、まずは適応検査を受けてみることをおすすめします。