「ICLの適応検査を予約したら、事前にコンタクトレンズの使用をやめるよう指示された」という経験はありませんか。毎日使っているコンタクトを数日〜数週間も外すのは、不便に感じる方も多いでしょう。しかし、この装用中止には、手術後の見え方を左右する大切な理由があります。
この記事では、ICL検査前になぜコンタクトが禁止されるのか、理由と中止期間、どうしてもやめられないときの対策までを詳しく解説します。
ICLとは?
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、眼の中に小さな柔らかいレンズを挿入して近視や乱視を矯正する視力矯正手術です。角膜を削らないため、角膜が薄い方や強度近視の方でも受けられるケースが多く、適応範囲が広いのが特徴です。
万が一の場合はレンズを取り出せるのもメリットといえます。一方で、自由診療のため費用が高額になること、手術までに適応検査などの時間がかかることはデメリットとして挙げられます。
ICLにかかる費用や内訳について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ICL手術の費用相場|レーシックとの比較や費用を抑える方法と合わせて解説
ICLとレーシックの違い
同じ視力矯正手術でも、レーシックは角膜をレーザーで削って屈折を矯正するのに対し、ICLは角膜を削らず眼内にレンズを入れて矯正します。そのため、ICLは近視の戻りが少なく、術後に不満があればレンズを取り出せる点が異なります。
両者の効果やリスク、費用の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ICLとレーシックの違いとは?効果やリスクを比較
なぜICL検査の前はコンタクト禁止なのか
手術前に適応検査を行いますが、検査の前は必ずコンタクトレンズの装用が制限されます。なぜコンタクトレンズを外す必要があるのでしょうか?
一番の理由は、コンタクトレンズの装用によって角膜の形状や屈折度数が一時的に変化し、本来の眼の状態を正確に測定しにくくなるためです。
ICLでは、角膜の形状や屈折度数などの検査結果をもとに、一人ひとりの眼に合ったレンズの度数や治療計画を検討します。コンタクトレンズの影響が残った状態で検査を行うと、測定値にずれが生じ、術後の見え方に影響するおそれがあります。
また、コンタクトレンズの長時間装用は角膜への酸素供給を妨げて角膜がむくむ原因になり、装用状況やケアの状態によっては、細菌性角膜炎などの感染症につながる可能性も否定できません。検査や手術に向けて眼の状態を健康で安定した状態に整えることも、装用中止の大事な目的です。
ICL検査前のコンタクト禁止期間
コンタクトの装用中止期間は、レンズの種類によって異なります。角膜への影響が少ないソフトコンタクトレンズは中止期間が比較的短く、角膜への影響が大きいハードコンタクトレンズほど長くなります。新宿近視クリニックでは、以下の期間を目安としています。

ソフトコンタクトレンズは検査前の2日間、ハードコンタクトレンズは検査前の2週間、装用を中止する必要があります。
なお、ハードコンタクトレンズを使用している方で、2週間にわたって裸眼で過ごすことが難しい場合は、検査日に合わせて一時的にソフトコンタクトレンズへ切り替える方法もあります。
ハードコンタクトレンズの装用を検査の2週間前から中止し、その期間はソフトコンタクトレンズを使用したうえで、検査前の2日間のみ、すべてのコンタクトレンズを外して過ごしましょう。
この方法であれば、コンタクトレンズを装用せずに過ごす期間を2日間に抑えられます。仕事や生活の都合で長期間裸眼で過ごすことが難しい方は、事前にクリニックへ相談してみてください。検査後は手術前日までコンタクトレンズを装用できますが、手術当日は裸眼または眼鏡での来院が必要です。
ICL検査前にコンタクトを中止しないとどうなる?
もし装用中止期間を守らずに検査を受けると、コンタクトレンズによって歪んだ状態の角膜が測定されてしまい、正確な検査結果が得られません。角膜の形状や屈折度数は、ICLで挿入するレンズの度数を決める重要なデータです。このデータが不正確だと、本来の眼に合わないレンズが選定されてしまう可能性があります。
その結果、手術後に「思ったよりも見えにくい」「ピントが合いにくい」といった見え方の違和感が生じたり、視力が安定しなかったりするおそれがあります。度数のずれが大きい場合には、レンズを入れ替える再手術が必要になる可能性があり注意が必要です。
ICLはレンズを交換できる手術ではあるものの、追加の手術は身体的にも時間的にも負担がかかります。こうしたリスクを避け、一度で満足のいく結果を得るためにも、装用中止期間を必ず守ることが大切です。
ICL手術で起こり得るリスクやレンズ交換について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ICLで失敗するリスクはある?失明の可能性についても解説
どうしてもコンタクトをやめられないときは?
理由は理解できても、仕事や学業の都合でコンタクトをやめるのが難しい方もいるでしょう。そのようなときに検討したい、無理なく装用中止期間を乗り切るための工夫をご紹介します。
長期休暇を利用してスケジュールを調整する
コンタクトなしでのメガネ生活に不便を感じやすいのは、仕事や学校のある平日です。そこで在宅勤務が可能な時期や、年末年始・ゴールデンウィーク・夏季休暇などの長期休暇に合わせて検査日を設定すると、装用中止期間の負担を減らせます。外出や人と会う機会が少ない期間であれば、裸眼やメガネで過ごすストレスも軽くなるでしょう。
その際は、コンタクトレンズの種類ごとの中止期間を逆算し、余裕を持ってスケジュールを立てることがポイントです。特にハードコンタクトの方は中止期間が長いため、検査日から2週間以上前を見越して計画を立てておくと安心です。
メガネの使用を検討する
装用中止期間中は、メガネで過ごすのが基本です。普段コンタクト中心の生活を送っている方は、この機会にメガネの準備をしておきましょう。今使っているメガネの度数が現在の視力に合っておらず、生活に支障が出るようであれば、術前検査に向けて一時的に度数を調整したメガネを用意しておくのも一つの方法です。
ただし、装用中止期間を守らないと検査精度や手術結果に影響する可能性があります。自己判断で期間を短縮したりせず、必ず医師の指示に従うようにしてください。不安な点があれば、遠慮なくクリニックに相談することをおすすめします。
ICLで後悔しないために知っておくべきこと
装用中止期間を守って検査を受けることに加えて、ICLの特性をあらかじめ理解しておくと、術後のギャップや後悔を防ぎやすくなります。ここでは、事前に知っておきたい2つのポイントをご紹介します。
術後の症状について知っておく
ICL手術後には、光がにじんだり輪のように見えたりする「ハロー・グレア」や、一時的なドライアイといった症状が起こることがあります。特に暗い場所や夜間に光をまぶしく感じやすい傾向がありますが、これらの多くは眼が新しい見え方に慣れるにつれて、時間の経過とともに軽減・緩和していくものです。
あらかじめこうした症状が起こり得ることを知っておけば、術後に必要以上に不安になることを防げます。
ハロー・グレアについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ICLのハロー・グレアとは?原因や対策を解説
ICLで老眼は改善できない
ICLに期待する方も多いのですが、基本的にICLでは老眼を改善できません。老眼は、加齢によって水晶体が硬くなり、近くにピントを合わせる調節力が低下することで起こる現象です。
一方でICLは、眼内にレンズを挿入して近視や乱視といった屈折異常を矯正する手術で、水晶体そのものに働きかける治療ではありません。そのため、ICLでピントのズレを矯正できても、加齢による調節力の低下までは回復させられないのです。ICLを受けていても、年齢を重ねれば老眼は進行する点を理解しておきましょう。
まとめ
ICL検査前にコンタクトレンズが禁止されるのは、コンタクトの装用によって角膜の形状が歪み、正確な検査ができなくなるためです。不正確なデータのままレンズを選定すると、術後の見え方に違和感が出たり、再手術が必要になったりするおそれがあります。中止期間はソフトで3日前から、ハードで2週間前からが目安で、どうしても難しい場合は長期休暇の活用やソフトへの切り替えといった対策も検討できます。
近視の矯正方法を検討している方にとって、ICLは角膜を削らず近視の戻りが少なく、レンズを取り出せる魅力的な手段です。装用中止期間などの事前準備をしっかり理解したうえで臨めば、より満足のいく結果につながります。
ICL手術について詳しく知りたい方は、新宿近視クリニックのサイトをご覧いただき、まずは無料の適応検査からご相談ください。費用について詳しく知りたい方は、ICLの料金ページもあわせてご確認ください。